2009年11月26日木曜日

ノーベル賞・フィールズ賞受賞者による事業仕分けに対する緊急声明と科学技術予算をめぐる緊急討論会

昨日12/25に

ノーベル賞・フィールズ賞受賞者による事業仕分けに対する緊急声明と科学技術予算をめぐる緊急討論会

が東大理学部の小柴ホールで行われていたので,オンライン中継をみた.

ノーベル賞・フィールズ賞受賞者のみなさんは
・江崎玲於奈
・利根川進
・森重文
・野依良治
・小林誠

彼らの顔を拝みにいくだけでも一見の価値ありだったが,会場まで行くのが面倒なので断念.

プログラムとしては,はじめに先生方の声明発表,その後記者質問,学生質問とつづいた.

私は記者質問からしか見ていないのではじめの方はわからないが,質問だけでもおもしろかった.




『科学技術予算に税金を使う必要を国民に理解してもらうにはどうしたらよいか』という朝日新聞の記者の質問.


答えたのは利根川進だったかな・・・?覚えてないけど,
『それはマスコミがちゃんと伝えてくれないと!』という一言目がまずウケた.
それはともかく,
『アメリカの主要紙の科学部の記者はほとんどがPhDだ.彼らはちゃんと科学をわかっていて基礎研究の重要性もわかっている.』
日本でそうならないのは,日本の新聞社や会社のあり方のせいだから・・・と言っていたけどそうだよなー.
PhDで一般就職なんて日本じゃまず無理だろう.



研究者と一般人(?)の間をうめるような存在がいないのは確かだと思う.
彼らの意見として『academia(研究業界)とindustry(産業界)がもっと協力しあうべき』といったようなことを言っていた気がするが,たぶん意味としてはacademiaが日本においては他業界と孤立しすぎていることを危惧していたのかな?
なんかうまく言えないが.
アメリカでは企業の技術者でPhD出身が40%くらいいるらしい.


わたしたちの生活が科学の基礎研究にいかに支えられているかってことを知るべきだとも言っていた.
でも知りようもないよなぁ.実際に社会人として働いている人の多くは研究者として研究業界に身をおいたことがない人がほとんどだし,そういう人の方が企業には求められているのだから.
そしてますます若者の科学離れは起きるわけで・・・笑




で,さっきの朝日記者の質問で思い出した本,
精神と物質―分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか-
立花隆が利根川進に20時間にわたるインタビューを行い,それをまとめた本.

当時,利根川進がノーベル賞を受賞した際,多くの記者がインタビューを行ったが,あまりに稚拙な質問を何度も繰り返し聞かれるので嫌になってたらしい.
そこで立花隆が最後に本格的なインタビューをするということで,出版された本.

利根川進はもちろんすごいのだが立花隆の勉強量もすごい.
わたしたちにも理解できるように,分子生物学の成り立ちから利根川進の偉業にいたるまでわかりやすく説明されている.
つまりは,大衆紙の科学部の記者にこういう取材を求めているのだろうと思った.

世界の第一線をゆく科学の世界をわたしたち一般人にもかいま見せてくれる仲介人が必要なのだね.

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